【事業実施報告】 2/7(土)「多重債務による自死をなくす」自殺予防講演会(延岡市)



日 時 : 2009(平成21)年2月7日(土)
会 場 : 野口記念館 大ホール(延岡市)
テーマ : 「多重債務による自死をなくす」自殺予防講演会
主 催 : NPO法人国際ビフレンダーズ 宮崎自殺防止センター
共 催 : 延岡地域自殺対策協議会(延岡保健所)
宮崎県社会福祉協議会の助成事業として実施しました。
主催者スタッフも含めておよそ70名の参加者がありました。
官民の協力体制により、スムーズな運営が行われました。
当日の講演会のようすは、翌週の2月13日(金)に、
地元紙の『夕刊デイリー新聞』でも大きく報じていただきました。(トップ面)
多重債務に陥っても、自殺まですることはありません。
1人で悩まず、まずは相談をしましょう。
相談できること、相談できる場所があることをまず知ることが
大切だということを、参加者全員で合意・共有することができました。
●
1.基調講演:「多重債務は必ず解決できる」
講師:宮崎県弁護士会 五嶋 俊信 氏
日向入郷地区ひまわり基金法律事務所の紹介
法律相談(総907件・H18〜H20)
夜間テレフォン相談
借金となった経緯
多重債務の処理
・まずは相談!!
・多重債務を抱える人230万人のうち20万人しか相談機関と繋がっていない現状
・1,400万人が借り入れをしている現在、多重債務は誰にでもあり得ること
・顔の見える地元の弁護士が安全
・12月に多重債務ウィークがある
・多重債務で借り入れを残しておくことは避ける(借り入れは全て相談する)
【多重債務の処理方法】
任意整理:
裁判所など公的機関を通さず、司法書士などの専門家が話し合いのみで
和解を求めていく手続き
特定調停:裁判所が債務者と債権者の間に入って弁済計画を作成する
個人民事再生
自己破産
早期に借金から開放される
一定の期間(3ヶ月)、特定の職種に就くことができない
官報に氏名や住所が載る
2.パネルディスカッション
「多重債務の実態と解決方法
〜死なないためのネットワーク構築に向けて、今私達にできること」
延岡保健所所長 日高 良雄氏
【自殺の現状】
・宮崎県の自殺者は平成19年394人で全国ワースト2位である
・年齢:50〜60歳代の自殺が多く、特に50代男性の自殺が多い
・自殺の原因:男女とも健康問題が多い。男性の2位は経済問題である
・職業別割合:無職者が多い
・月別:3月が最も多く、次に1・2月が多い。8月や12月は相対的にやや減る
・延岡の自殺死亡者:40名前後で自殺者が多い
・県内では小林保健所管轄の自殺死亡率が高い
宮崎県司法書士会 甲斐 雅則氏
多重債務処理を病気に例えるならば・・・
・重病のときは、「自己破産」
・次に、「個人民事再生」
・少し大丈夫なときは、「特定調停」:費用が安く利息を取り戻すことができない
軽度ならば、「任意整理」:払いすぎた利息を取り返すことが可能
・保証人がいるから自己破産などの手続きができない・・・
→ そういう場合、保証人と一緒に法律相談事務所へ相談しに行くと良い
・経済問題の悪化が進めば延岡の自己破産者が多くなるのでは・・
延岡市男女共同参画推進室 中島 満治氏
・H19年7月より延岡市役所内で相談業務を開始・消費者担当(男女共同推進室)
【相談方法】
・相談カードを相談者自身又は家族が書く(30分程度で書類手続き)
・丁寧な聞き取りを行い、4つの解決方法の説明を行う
・法律専門家や生活保護担当につなぐ
→ 相談者は弁護士事務所や市役所に来るのも抵抗あるため、
テレビや広報で呼びかけ、相談しやすいよう工夫をしている
NPO法人国際ビフレンダーズ宮崎自殺防止センター 甲斐 妙子
【宮崎自殺防止センター】
・発足から2年、電話相談を中心に行っている
・毎週:日・水・金曜日の午後8時から午後11時まで
・電話相談では励まさない、経済的支援をしない、自己決定を否定しない・・・
・男性の相談が多くなってきている
・30〜50代の相談者が多く、高齢者からはあまりかかってこない
・相談者の24.2%に自殺未遂歴あり(H19〜)
・相談内容:精神疾患を持つ方からが最も多く、経済関連は8番目
(弁護士への相談を勧めることもある)
3.ディスカッション
昨今の経済的影響などについて・・・
<五嶋氏>
サブプライムローン問題以降、闇金融関連の相談が増えている。
闇金融:お金を貸す時に携帯電話や家族の人、会社の電話番号を聞いて電話して
くる。貸し金業に登録している業者は受任通知の効果があるが、闇金融会社は登録
していない為、取り立てを止めることができない。
<甲斐雅則氏>
闇金の取り立ては家族全員が関わってしまうため、借り入れをした人が払うこと
ばかりを1人で悩んでしまうことが多い。踏み倒す、ということに抵抗を感じる
人も多いが、個人民事再生は踏み倒すということではない。
周囲の人は専門家への相談を進めることが大切。
<五嶋氏>
闇金から借りないこと。闇金からの電話が何日・何時にかかってくるか記録し、
裁判をおこす方法もある。また、銀行口座凍結や警察に告発することもある。
借金の問題は、家族に相談しにくいと思うが、過払いの件も多いため、早めに
相談機関にアクセスして頂きたい。
<中島氏>消費者相談の内容は、市役所の外には出ない。市役所内で調整を図る際
に情報を提供することもあるが・・。平成20年は180件を越す相談があり、
8割以上は専門家につないでいる。
<甲斐雅則氏>
司法書士相談センター(携帯のみ)
090−2581−3479(延岡)
090−6894−0966(日向)
2週に1回、無料 時間;10時〜16時 基本いつでも繋がる
いかにも公的な機関を装って民間人が相談を行っていることもある。そのような
悪徳業者に騙されないように。弁護士や司法書士のみしか行うことができないこと
もある。地元で看板を立てている法律事務所に頼むことを勧める。
<五嶋氏>
弁護士会では、「多重債務当番弁護士会」を作ろうとしている。
法テラス → 無料相談できる。
(但し収入による制限があり、4人家族で29万9千円以下)
4.質問タイム
甲斐妙子氏:「債務を1つだけ残すのはなぜ?」・・
「銀行が消費者金融を持つ、個人に貸すとは?」・・
<五嶋氏>
:どれか1つを残しておいて、借り入れができる手段を残しておきたいという
心情からではないか。借金を是正するには、残すべきではない。
:銀行が消費者金融と提携している → 問題があるのも確か
甲斐妙子氏:「行政から個人へ貸し付ける制度というのはできないのか。」
<五嶋氏>
お金を貸すのは国ではなく、銀行や消費者金融に機能分担されている。
国から個人、というのは難しいかも。
5.まとめ
<日高氏>
多重債務は必ず解決策が確実にある!!
それで自殺してしまうのはもったいない。
1人で悩まないで相談する。また、相談することを他の人たちに
伝えていくことが大切。地域で連絡していく。相談すれば解決方法が見つかる。
自殺対策は、司法・医療・警察・自治体など連携システムをつくる。
<甲斐雅則氏>
対策は4つもある。自己破産に抵抗を持つこともない。破産してのデメリットは
ほとんどないと思ってもいい。できない仕事は限られたもので、3ヶ月休止すれば
はじめても良い。人生をやり直す前向きな手続きだと思ってよい。
<中島氏>
相談を受けた方々の合計金額は延べ2億円を超える。1人でも多く相談に来て。
<甲斐妙子氏>
どこからでも相談でき、介入としてつないでいく。
顔のみえる連携が必要。NPOとして信頼を得ていきたい。
6.経験者の声 〜麦ふみ会(当事者の会)〜
・20数年に及ぶ多重債務で夫は自殺まで考えていた。家族で話し合い、
弁護士会に相談。夫はなかなか弁護士事務所に入ることができなかった。
担当の方に「よく頑張ってきた」と言われ、責めない態度に安心した。
・麦ふみ会 → 多重債務被害者の会、月に1回集会
(勉強・お茶会・健康診断など)、アフターケアを重視、再起を誓う
◎ 金銭では破産しても、人格までは破壊していない!
多重債務はたくさんの解決策(選択肢)がある。
だから、死ぬことだけはえらばないで・・
090207チラシ(延岡市講演会).pdf(1.40 MB)
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